【リスティング広告の除外依頼対応ガイド】競合から依頼が届いたときの対処法と注意点を解説
リスティング広告を運用していると、ある日突然、他社から「自社名や商品名をキーワードから除外してほしい」という連絡が届くことがあります。
これは、いわゆる「リスティング広告の除外依頼」と呼ばれるもので、ブランド名で検索された際に、競合他社の広告が表示されることを避けたいという意図から出されるものです。
では、このような除外依頼を受け取った場合、どのように対応すればよいのでしょうか?また、自社が除外依頼を出す立場になった場合、どのような点に注意すべきでしょうか?
本記事では、以下の3つのポイントを中心に解説します。
- リスティング広告の除外依頼とは
- リスティング広告のキーワード除外依頼が届いた時の対応
- 除外依頼を出す時の注意点
リスティング広告の適切な運用とトラブル回避のために、ぜひ最後までお読みください。
リスティング広告の仕組みや運用方法についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
https://owned.co.jp/column/ads/listing-advertisement/
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リスティング広告の除外依頼とは
リスティング広告の運用を行っていると、他社から「自社名や商品名をキーワードから除外してほしい」と連絡を受けることがあります。これは、ブランド名などの検索結果に競合広告が表示されることを避けたいという意図から発せられる「除外依頼」です。法的な強制力はないものの、商標権との関連性やユーザーの混乱を防ぐ観点から、対応の可否を慎重に判断する必要があります。
対応次第では、企業間の関係性やブランドイメージにも影響を及ぼすため、形式的に処理するのではなく、内容を精査した上で判断することが求められます。
リスティング広告のキーワード除外依頼が届いたら
リスティング広告を運用していると、競合他社などから「自社名を除外してほしい」というキーワード除外依頼のメールが届くことがあります。突然の連絡に戸惑うケースも多いですが、対応の可否には慎重な判断が求められます。
この章では、
- 依頼に対する考え方
- 実際に届いた際の対応方法
を解説します。
リスティング広告のキーワード除外依頼に対する考え方
キーワード除外依頼を受けた際、法的に応じる義務は基本的にありません。しかし、広告運用の現場では「対応するかどうか」の判断が重要です。なぜ対応を検討すべきなのか、その背景を以下に整理しました。
■ 除外依頼への対応を検討すべき主な理由
- トラブルの予防
企業名や商品名などの固有名詞は、ユーザーが誤ってクリックすることで混乱を招くことがあります。早期に除外することで、苦情対応やブランドトラブルを未然に防げます。 - 広告効果の最適化
競合名での検索は、購入や問い合わせにはつながりにくいケースも多く、コンバージョン率が低下する可能性があります。関係性の薄い検索語句を除外することで、クリック単価(CPC)や品質スコアの維持にも寄与します。
■ 除外対応で注意すべきポイント
- 一般的なキーワードは慎重に扱う
「リスティング広告」や「比較」「導入」などの汎用語句まで除外すると、本来届けたい層へのリーチまで遮断してしまう恐れがあります。 - 除外範囲は最小限に留める
意図しないユーザーの流入だけを抑えるためには、「フレーズ一致」「完全一致」などのマッチタイプの使い分けが効果的です。
メールが届いた時の対応について
除外すべき理由を理解したうえで、実際に依頼が届いた際の対応フローを整理しておきましょう。
| 1. メールの内容を精査する | ・指定されたキーワードやマッチタイプを確認する・依頼の意図と正当性を把握する |
| 2. 配信への影響を検討する | ・一般的な語句が含まれていないか?・高CVの検索語句が含まれていないか?※除外による影響が大きい場合は、完全な除外ではなく限定的なマッチタイプで対応するなど、柔軟な提案も視野に入れる |
| 3. 問題がなければ速やかに除外設定 | ・除外が妥当と判断できた場合は、速やかに設定を行う・設定内容は相手企業に共有し、対応状況を明確に伝える・共有により、信頼関係や円滑な関係維持につながる |
| 4. 自社名も同時に除外を依頼 | ・対応のタイミングで、自社のブランド名・サービス名の除外も依頼する・相互対応により、対等で納得感のあるやり取りが可能になる ・依頼の際は、除外してほしいキーワードとマッチタイプを具体的に伝える |
seoキーワードの選定方法についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
https://owned.co.jp/column/seo/seo-keyword/
他社による指名キーワード出稿の影響とは
指名キーワード(自社名や商品名など)に他社が広告を出稿している場合、自社に以下のような影響が生じる可能性があります。
- 競合との入札競争により、クリック単価(CPC)が上昇する
- 広告表示順位が下がり、クリック率(CTR)が低下する
- 流入数が減少し、コンバージョンの機会を逃す
- ユーザーが他社広告と混同し、ブランド認知や信頼性に悪影響が及ぶ可能性がある
こうしたリスクを踏まえ、指名キーワードの動向には注意が必要です。
リスティング広告の除外依頼の出し方:基本ステップ
除外依頼を効果的に行うためには、いくつかのステップを丁寧に踏んでいくことが大切です。以下の流れに沿って対応することで、無駄な配信を防ぎつつ、より精度の高い広告運用が可能になります。
状況を把握する
まずは現状の広告配信状況を確認し、どのような検索語句で広告が表示・クリックされているかを洗い出します。Google広告やYahoo!広告の検索語句レポートを確認することで、どのキーワードが成果に貢献していないか、あるいは意図しないユーザーに届いてしまっているかを判断できます。この段階では、無作為に除外するのではなく、データに基づいた冷静な分析が求められます。
除外対象を具体化する
状況を把握したら、除外したい検索語句やパターンをリストアップします。特定の語句だけでなく、「〇〇とは」「無料」「評判」など、商材のターゲットから外れるユーザー層が使いそうな言葉も視野に入れて選定していきます。また、地域名や競合の名称なども、場合によっては除外対象になることがあります。重要なのは「なぜ除外したいのか」を明確にし、それに基づいてキーワードを抽出することです。
依頼内容をまとめる
除外したいキーワードが整理できたら、それらを運用担当者や代理店に伝えるための依頼書や指示書にまとめます。このとき、除外を希望する期間や、検索語句が含まれていたキャンペーン、広告グループなどの情報も記載しておくと、スムーズな対応が可能になります。あいまいな指示は設定ミスの原因にもなるため、できるだけ具体的に、かつ簡潔にまとめることが重要です。
【例文】
以下は、除外依頼の一例として活用できる文面です。
株式会社〇〇〇〇
広告ご担当者様
突然のご連絡、失礼いたします。
株式会社△△の□□と申します。
このたびは、Google および Yahoo! の検索広告に関しまして、キーワードの除外についてご相談させていただきたく、ご連絡差し上げました。
現在、「●●」というキーワードで検索した際に、貴社の広告が表示されていることを確認しております。
「●●」は弊社の社名であり、また商標登録済みのワードでもございますため、可能であれば「●●」をフレーズ一致で除外していただけますと幸いです。
なお、弊社側でも貴社の社名・サービス名につきまして、同様に除外設定を行う意向でございます。
もし除外をご希望のキーワードがございましたら、ご教示いただければと存じます。
ご多用のところ恐れ入りますが、何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
このように、事実に基づき、丁寧な言葉遣いと相手への配慮をもって依頼することが、スムーズな対応を引き出す鍵となります。
テンプレートをベースに、自社の状況や相手先の特性に応じて柔軟に調整して使いましょう。
運用担当者・代理店へ依頼する
準備が整ったら、運用担当者や広告代理店に対して除外依頼を提出します。この際、単に「これを除外してください」と伝えるだけでなく、なぜ除外が必要なのか、除外によってどのような効果を期待しているのかを共有することが、今後の運用改善にもつながります。依頼後は設定の反映状況を確認し、必要に応じてコミュニケーションをとることも忘れずに行いましょう。
次に、リスティング広告において除外キーワードが果たす役割について、詳しく見ていきましょう。
除外依頼を出す時の注意点
除外依頼は、リスティング広告の効率化に役立つ反面、誤った判断で実施すると広告効果の低下や機会損失を招く可能性があります。除外設定を行う際には、いくつかの注意点を意識することで、より効果的かつ安全に運用を進めることができます。
除外しすぎに注意
除外キーワードの設定に熱心になるあまり、関連性のある検索語句まで除外してしまうケースは少なくありません。たとえば、成果に直結しなかった語句でも、表示回数やクリック数が多く将来的に成果につながる可能性がある場合、それを除外するのは早計です。感覚的に判断するのではなく、一定期間のデータをもとにして冷静に検討し、必要最低限の除外にとどめることが大切です。
データ期間を明記する
除外依頼を出す際には、対象となる検索語句のデータがどの期間のものかを明確に記載することが重要です。データ期間が曖昧だと、過去の一時的な傾向に基づいた誤った判断をしてしまうリスクがあるほか、運用者が正しく対応できなくなる可能性もあります。1週間、1か月など、除外対象とした背景がわかるように時期を明示することで、依頼の精度と信頼性が高まります。
また、除外設定を行ったあとは、必ず広告パフォーマンスの変化を確認しましょう。
除外によって「クリック数がどう変化したか」「無駄な流入が減ったか」「コンバージョン率が改善されたか」などのデータを確認することで、設定の妥当性を評価できます。
検証の際には、以下のような指標をチェックするのが効果的です。
- クリック率(CTR)
- クリック単価(CPC)
- コンバージョン率(CVR)
- 除外前後のインプレッション推移
除外後の変化を定量的に捉えることで、次回以降の判断材料になり、より精度の高い広告運用につながります。設定して終わりではなく、効果の振り返りまでを1つのサイクルとして実行しましょう。
除外設定の最適化には、検索キーワードの精査が欠かせません。詳しくは下記の記事をご参照ください。
https://owned.co.jp/column/seo/seo-keyword/
Google広告・Yahoo広告のポリシーと商標の扱い
リスティング広告では、他社の社名やブランド名をキーワードとして設定しても、基本的にGoogle広告やYahoo!広告のポリシー違反にはなりません。
ただし、広告文の中で他社名を記載した場合は、ポリシー違反や商標侵害として扱われる可能性があります。
Google広告のポリシー
- 他社名をキーワードに含めることは原則許容されている
- ただし広告文内に商標を使用する場合は制限あり
- 商標権者からの異議申し立てがあると、広告の掲載が停止されることもある
Yahoo!広告のポリシー
- キーワードとしての使用に関してはGoogleと同様に比較的自由
- 広告文中の他社名記載については審査が厳しく、掲載不可になる場合がある
- 商標所有者からの申請により、広告の非承認やアカウント制限が行われることがある
このように、「キーワード」と「広告文」でポリシーの適用範囲が異なるため、除外依頼があった場合はキーワード設定だけでなく、広告文の表現もあわせて確認する必要があります。
ポリシー違反が発覚した場合のリスク
- 広告アカウントの一時停止や配信制限
- 商標権者からの削除要請・法的措置
- ブランドや企業の信用低下、炎上リスクの発生
わずかな表現ミスでも、媒体や商標権者によっては重大なトラブルに発展する可能性があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、広告運用に関わる全員が各媒体のポリシーを理解し、商標まわりの設定に注意を払うことが大切です。
リスティング広告の除外依頼についてまとめ
ここまで、リスティング広告における除外依頼の対応について解説してきました。記事の要点を整理すると、以下のとおりです。
- 除外依頼には法的強制力はありませんが、商標やユーザー配慮の観点から慎重な対応が求められる
- 依頼が届いた場合は内容を確認し、必要に応じて除外設定と自社名の相互依頼を行う
- 自社が依頼する際は、対象や期間を明確にし、最小限の除外設定を心がけることが重要
除外対応は、広告運用におけるトラブル防止やブランド保護に直結します。形式的な処理で済ませるのではなく、広告効果や信頼関係への影響まで見据えた丁寧な判断が重要です。
本記事の内容が、除外対応に迷ったときの参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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