SEOとリスティング広告の違いとは?目的別の使い分け&併用法を解説

SEOとリスティング広告、どちらを活用すべきか迷ったことはありませんか?それぞれに異なる特徴があり、目的に応じた使い分けが重要です。
本記事では、以下の点を中心にご紹介します。
- SEOとリスティング広告の違い
- ターゲット層ごとの適切な活用方法
- 併用による効果的な集客戦略
SEOとリスティング広告の特徴を理解し、適切なマーケティング戦略を立てるための参考にしていただければ幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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SEOとは

SEO(検索エンジン最適化)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自社のWebサイトを上位に表示させるための施策を指します。検索結果の自然な順位向上を目指すことで、長期的な集客効果が期待できます。ここでは、SEOの仕組みや特徴について解説します。
SEOの仕組み
SEOの基本的な仕組みは、検索エンジンのアルゴリズムに評価されることで、サイトの検索順位を向上させることです。
検索エンジンは、クローラーと呼ばれるプログラムを用いてWebサイトを巡回し、インデックスに登録します。その後、ユーザーが検索を行った際に、検索意図に適したサイトがランキング付けされて表示されます。
検索エンジンのアルゴリズムは、コンテンツの質や関連性、サイトの技術的な最適化(モバイル対応・表示速度など)、被リンクの数や質など、さまざまな要素を総合的に評価します。そのため、SEO対策を行うには、コンテンツの充実だけでなく、Webサイトの技術面の最適化や外部からの評価(リンク対策)なども重要になります。
SEOの特徴
- 広告費をかけずに集客できる
- 長期的に安定した流入が期待できる
- 潜在層にもアプローチできる
SEOは、検索結果の上位に表示されることで、広告費をかけずに長期的な集客が期待できる手法です。安定したアクセスを得やすい一方で、成果が出るまでには時間がかかるため、短期的な効果は見込みにくい傾向があります。
また、順位は検索エンジンのアルゴリズムによって決まるため、一度上位に表示されても変動する可能性があり、継続的なコンテンツ改善やサイトの最適化が欠かせません。
SEOは、商品やサービスについて情報収集をしている段階のユーザーにも届きやすく、関心を持つ潜在層へのアプローチにも有効です。即効性はないものの、上位表示されれば継続的な流入が見込めるため、長期的な集客施策として有効です。
SEOについてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
https://owned.co.jp/column/seo/seo
リスティング広告とは

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに有料で広告を掲載する手法です。Google広告やYahoo!広告などのプラットフォームを利用し、特定のキーワードに対して広告を出稿することで、検索結果の上部や下部に広告を表示させることができます。SEOとは異なり、広告費を支払うことで即座に検索結果に表示されるため、短期間での集客が可能です。
リスティング広告の仕組み
リスティング広告は、広告主が特定のキーワードに対して入札を行い、検索結果ページの広告枠に表示される仕組みになっています。
広告の掲載順位は、入札価格だけでなく、広告の品質スコアによっても決まります。品質スコアは、広告のクリック率やランディングページの関連性、ユーザーの利便性などを総合的に評価した指標であり、高い品質スコアを持つ広告は、入札額が低くても上位に表示されることがあります。
また、リスティング広告はクリック課金型(CPC: Cost Per Click)であるため、広告が表示されるだけでは費用は発生せず、ユーザーが広告をクリックした場合にのみ費用が発生する仕組みになっています。そのため、広告のターゲティングやキーワード選定が重要となり、適切に運用することで高い費用対効果を得ることが可能とされています。
リスティング広告の特徴
- 即効性が高く、すぐに表示・集客できる
- 明確なニーズを持つユーザーにピンポイントで訴求できる
- 広告文やリンク先を自由に設計できる
リスティング広告は、即効性に優れ、特定のターゲット層に直接アプローチできる点が特徴です。広告を出稿すれば、すぐに検索結果に表示されるため、短期間での集客を狙いたい場合に効果的です。
また、広告文やリンク先を自由に設定できるため、キャンペーンや新商品の告知など、目的に合わせた柔軟な訴求が可能です。
ただし、クリックごとに費用が発生するため、運用には予算管理が欠かせません。特に競争の激しいキーワードでは、クリック単価が高騰することもあり、綿密な戦略設計が必要です。
リスティング広告は、短期的に成果を出したい場合や、明確なニーズを持つユーザーに効率よく訴求したい場合に適した手法です。
リスティング広告についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
https://owned.co.jp/column/ads/listing-advertisement
SEOとリスティング広告の違い

SEOとリスティング広告は、どちらも検索エンジンを活用した集客手法ですが、いくつかの明確な違いがあります。
ここでは、
- 即効性
- クリック率
- 掲載順位のコントロール
- 費用の発生
- 広告の文言やリンク先の指定
という5つのポイントについて解説します。
比較項目 | SEO | リスティング広告 |
---|---|---|
①即効性 | 結果が出るまでに数ヶ月かかることが多く、即効性は低い | 広告を出せば即日で検索結果の上部に表示でき、即効性が高い |
②クリック率 | 「広告」表示がないため信頼されやすく、クリック率が比較的高い | 広告表示のため避けられる傾向があり、CTRはやや低くなりがち |
③掲載順位のコントロール | 検索エンジンのアルゴリズムに依存し、順位の維持には継続的対策が必要 | 入札額や広告の品質スコアによって掲載順位をある程度コントロールできる |
④費用の発生 | 表示やクリックには直接費用は発生しない | 運用には予算管理が必要 |
⑤広告の文言やリンク先の指定 | タイトル・説明文の設定はできるが、検索エンジンが内容を変更することもある | 広告文やリンク先を自由に設定でき、訴求力や誘導先を目的に合わせて最適化できる |
違い①|即効性
SEOは、サイトの評価が上がり検索結果の上位に表示されるまでに時間がかかるため、即効性には欠けます。コンテンツの充実や被リンクの獲得、サイトの技術的な最適化など、継続的な対策が必要になり、結果が出るまでに数ヶ月以上かかることもあります。
一方、リスティング広告は、広告を出稿すればすぐに検索結果の上部に表示されるため、短期間での集客が可能です。特に、新商品のプロモーションやイベントの告知など、短期的な効果を求める場合に適しています。
違い②|クリック率(CTR)
検索結果に表示された際のクリック率は、SEOとリスティング広告で異なります。
SEOによる自然検索の上位表示は、ユーザーに信頼されやすく、クリック率が高い傾向があります。特に、検索意図にマッチしたサイトが上位に表示されている場合、ユーザーの関心を引きやすくなります。
一方で、リスティング広告は”広告”と明記されているため、ユーザーが広告を避ける傾向があり、クリック率が低くなることがあります。
ただし、広告のターゲティングを適切に設定し、魅力的なタイトルや説明文を作成することで、クリック率を向上させることも可能とされています。
違い③|掲載順位のコントロール
SEOでは、検索エンジンのアルゴリズムによって掲載順位が決まるため、特定のキーワードで絶対に上位に表示されるとは限りません。定期的な検索アルゴリズムのアップデートによって順位が変動することもあり、上位表示を維持するには継続的な対策が求められます。
一方、リスティング広告では、掲載順位をある程度コントロールできる点が特徴です。その順位を左右するのが「広告ランク」と呼ばれる指標で、ランクが高いほど検索結果ページの上位に表示されやすくなります。
広告ランクは主に以下の要素によって決まります。
- 品質ランク(推定クリック率、広告との関連性、ランディングページの利便性)
- 上限クリック単価(CPC)
- 広告表示オプション
これらの要素を最適化することで、表示順位をコントロールできます。
違い④|費用の発生
SEOでは、検索結果の上位に表示されること自体に費用はかかりません。
ただし、上位表示を狙うためのコンテンツ制作やサイトの技術的な改善、SEO対策の専門知識を持つ人材の確保など、間接的なコストが発生します。
一方、リスティング広告は、クリックされるごとに費用が発生するクリック課金型(CPC)です。広告を出稿し続ける限りコストがかかるため、予算管理が重要になります。
競争が激しいキーワードではクリック単価が高騰することもあり、費用対効果を考慮しながら運用する必要があります。
違い⑤|広告の文言・リンク先の指定
SEOでは、検索結果に表示されるタイトルや説明文は検索エンジンが自動的に生成するため、完全にコントロールすることはできません。タイトルやメタディスクリプションの設定は可能ですが、検索結果の表示形式が変わることもあります。
一方、リスティング広告では、広告の文言やリンク先のページを自由に設定できるため、訴求内容を明確に伝えやすくなります。特定のキャンペーンページや申し込みフォームへ直接誘導することもできるため、目的に応じた柔軟な運用が可能です。
SEOとリスティング広告には、それぞれ異なる特徴があり、目的や予算に応じた使い分けが重要になります。
SEOとリスティング広告のターゲット層の違い

SEOとリスティング広告は、それぞれ異なるターゲット層に向けた集客手法です。
SEOは顕在層だけでなく潜在層にもアプローチできる一方で、リスティング広告は主に顕在層向けの手法とされています。ここでは、それぞれのターゲット層の違いについて解説します。
SEOは顕在層+潜在層向け
SEOは、検索エンジンで情報を探しているユーザーに向けた施策であり、顕在層だけでなく潜在層にもリーチできる点が特徴です。
例えば、”ダイエット 方法”や”スマートフォン 選び方”など、商品やサービスの購入を具体的に考えていない段階のユーザーにも情報を提供できます。そのため、長期的なブランディングや顧客育成の視点で有効な手法といえます。
また、SEOで上位表示されたページは、ユーザーにとって信頼性が高いと認識されやすく、クリック率も向上しやすい傾向にあります。特に、専門的な情報や比較記事、ハウツーコンテンツなどを提供することで、潜在的なニーズを持つユーザーを引き寄せることが可能です。
ただし、SEOは検索エンジンの評価を受けるまでに時間がかかるため、すぐに結果を求める場合には向いていません。定期的なコンテンツ更新やサイトの改善を続けることで、徐々に検索結果の上位に表示されるようになり、安定した集客を実現できます。
リスティング広告は顕在層向け
リスティング広告は、明確な購買意欲を持つ顕在層に向けた手法です。
例えば、”スマートフォン 購入”や”ダイエット サプリ おすすめ”など、具体的なキーワードで検索するユーザーに対して広告を表示することができます。
これにより、すぐに購入や申し込みにつながる可能性が高く、短期間での成果を期待できます。
また、リスティング広告は広告文やリンク先を自由に設定できるため、特定の商品やサービスに関心を持つユーザーをダイレクトに誘導することが可能です。
例えば、期間限定のキャンペーンや新商品のお知らせなど、即時性のある情報を届ける際に効果を発揮します。
ただし、リスティング広告はクリックごとに費用が発生するため、継続的に出稿するにはコストがかかります。予算に応じて広告の配信を調整することができるものの、広告の掲載を停止すると流入が止まる点には注意が必要です。
そのため、リスティング広告は短期間で成果を出したい場合や、特定のターゲット層にピンポイントでアプローチしたい場合に適しています。
SEOとリスティング広告ではターゲット層に違いがあるため、目的に応じて適切な手法を選ぶことが重要です。
SEOとリスティング広告の使い分けとは

SEOとリスティング広告は、それぞれ異なる特性を持つため、目的や商材に応じて適切に使い分けることが重要です。
ここでは、中長期的な集客を目指す場合、短期的に成果を出したい場合、そして商材の特性による向き・不向きについて詳しく解説します。
中長期的に集客したい場合はSEO
SEOは、長期的に安定した集客を目指す場合に適しています。
検索エンジンで上位表示されるまでには時間がかかるものの、一度上位に表示されると継続的にアクセスを獲得できるため、広告費をかけずに集客を維持しやすくなります。
例えば、情報提供を重視するオウンドメディアや、企業の公式サイトなどはSEOとの相性がよいといえます。コンテンツを充実させることで検索エンジンの評価を高め、長期的なアクセスを獲得することが可能とされています。
ただし、SEOは継続的なコンテンツ更新やサイトの最適化が必要になるため、即時の効果を求める場合には不向きです。
短期的に集客したい場合はリスティング広告
リスティング広告は、短期間での集客や売上アップを狙う場合に効果的とされています。
広告を出稿すればすぐに検索結果の上位に表示されるため、新商品や期間限定キャンペーンなど、短期間での訴求が必要なケースに向いています。
また、リスティング広告では、ターゲットとするユーザー層を細かく設定できるため、特定の層に向けて効率的にアプローチすることが可能です。
ただし、クリックごとに費用が発生するため、予算管理が重要となります。広告を停止すると流入が止まってしまうため、長期的に運用する場合はSEOと組み合わせることが望ましいでしょう。
商材によって向き・不向きがある
SEOとリスティング広告は、扱う商材の特性によって向き・不向きがあります。
検討期間が長い商材や情報提供が重要な分野ではSEO
高額な商品やサービス、比較検討が必要な商材は、SEOとの相性がよいといえます。
例えば、住宅、不動産、保険、BtoBサービスなどは、ユーザーが情報収集を重ねながら慎重に選ぶ傾向があるため、SEOによる継続的な情報発信が効果的です。
信頼性の高いコンテンツを提供することで、ユーザーの関心を引き、購買につながる効果が期待できます。
高単価や緊急性の高い商材はリスティング広告
すぐに購入や申し込みにつながる可能性が高い商材は、リスティング広告が適しています。例えば、エステや美容クリニックの施術、鍵の紛失時の鍵開けサービス、水道修理など、ユーザーが緊急で必要とするサービスでは、広告を活用することで即時に集客が可能です。また、高単価の商品や利益率の高い商材も、クリック単価が多少高くても費用対効果を見込めるため、リスティング広告を活用しやすいといえます。
SEOとリスティング広告は、目的や商材の特性に応じて適切に使い分けることで、それぞれのメリットを大きく活かすことができます。
次の章では、SEOとリスティング広告を併用することで、さらに効果的な集客を実現する方法について解説します。
SEOとリスティング広告の併用も検討する

SEOとリスティング広告は、それぞれ異なる強みを持つ集客手法です。両者を組み合わせることで、短期と長期の両面からバランスの取れた集客が期待できます。
短期はリスティング広告、長期はSEOで集客を強化する
即効性のあるリスティング広告で短期的にアクセスを集めつつ、SEO対策を進めて将来的な安定集客につなげる戦略が効果的とされます。
リスティング広告で初期集客を確保する
リスティング広告は、出稿直後から検索結果の上部に表示されるため、短期間でアクセスを集めたい場合に効果的です。特に新規サイトや、SEO効果がまだ出ていない段階では、リスティング広告によって早期の流入を確保できます。
SEOで安定した流入基盤を築く
SEOは成果が出るまでに時間がかかりますが、一度上位表示されれば安定した自然流入が期待できます。リスティング広告で短期集客を行いながら、SEOを並行して進めることで、将来的には広告費の削減と継続的な集客が可能になります。
リスティング広告を活用してコンテンツを検証する
リスティング広告は、新しく公開した記事やページの反応をテストする手段としても有効です。リスティング広告でアクセスを集め、クリック率やコンバージョン率を分析すれば、SEOでの効果的なキーワードや訴求の方向性を見つける手がかりになります。
SEOとリスティングを組み合わせて安定した集客を実現する
SEOとリスティング広告を同時に活用することで、検索結果での露出を最大化し、幅広いユーザー層にアプローチできます。両者の役割を活かした運用が安定集客のカギとなります。
両方で検索結果の上位を占める
SEOとリスティング広告を併用することで、検索結果の自然枠と広告枠の両方に表示される可能性が高まり、露出の最大化が図れます。結果的にクリック率やブランド認知の向上が期待できます。
検索意図に合わせて役割を分担する
SEOは情報収集を目的としたユーザーに向いており、リスティング広告は今すぐ申し込みや購入を検討している層に効果的です。検索フェーズごとに訴求を変えることで、幅広いユーザー層に対応できます。
データ連携で施策を最適化する
リスティング広告の検索クエリデータや成果の高いキーワードをSEO戦略に活かすことで、より精度の高いコンテンツが作れます。逆に、SEOで成果が出ているページをリスティング広告でも活用すれば、広告効果の最大化も可能です。
SEO対策とリスティング広告を併用したときの影響についてより詳しく解説していますので、こちらの記事も合わせてお読みください。
https://owned.co.jp/column/seo/listing-ads-seo-impact
SEOとリスティング広告の違いに関するまとめ

ここまで、SEOとリスティング広告の違いや使い分けについて解説してきました。
記事の要点をまとめると、以下のとおりです。
- SEOは長期的な集客向けであり、安定した流入を得るには時間がかかるものの、広告費をかけずに継続的なアクセスが期待できる
- リスティング広告は短期的な集客向けであり、即時の成果を得ることができる一方で、クリックごとに費用が発生するため、継続的な運用にはコスト管理が必要である
- SEOとリスティング広告は併用が可能であり、短期的な集客には広告を活用しつつ、長期的な安定した流入を目指すならSEOを強化することが効果的とされる
SEOとリスティング広告の特性を理解し、目的や商材に応じた適切な手法を選ぶことが重要です。また、状況に応じて両者を組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略の構築が期待できます。
これらの情報が、SEOやリスティング広告の活用を検討している方のお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
SEOについて詳しい資料はこちら