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サブドメインはSEOに影響しないのか?サブドメインとサブディレクトリの使い分け方

サブドメインはSEOにどのような影響を与えるのでしょうか?サブドメインとサブディレクトリのどちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いようです。

本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

  • サブドメインとサブディレクトリの違い
  • サブドメインがSEOに与える影響
  • サブドメインとサブディレクトリの適切な選び方

サブドメインを活用するメリット、デメリットを理解し、SEO対策に活かすためにも、ぜひ最後までお読みください。

ドメインとは

ドメインとは、インターネット上の住所のようなものであり、Webサイトを識別するための文字列です。たとえば、example.comのような形で表されます。WebサイトのURLは、ドメインを基盤として構築されており、ユーザーが特定のサイトにアクセスするための重要な要素となります。
ドメインは、以下の3つの要素で構成されています。

トップレベルドメイン(TLD)
.com、.net、.org など、ドメイン名の末尾に付く部分です。

セカンドレベルドメイン(SLD)
ドメイン名の主要部分で、サイトの名称にあたります(例:example.comのexampl)

サブドメイン
SLDの前に付加される要素で、特定の用途ごとに区別するために使用されます(例:blog.example.comのblog)

Webサイトの運用において、ドメインの使い方はSEOにも影響を及ぼすため、適切に選定することが重要です。

サブドメインとサブディレクトリの違い

Webサイトを構成する際、異なるコンテンツを整理する方法としてサブドメインとサブディレクトリの2つの選択肢があります。これらの違いを理解することで、サイト運営の方向性を適切に決定できます。

サブドメインとは

サブドメインは、メインのドメインの前に追加される文字列によって、異なるセクションを区分する方法です。たとえば、blog.example.comやshop.example.comのように、特定の用途に応じてドメインを分けられます。
サブドメインの特徴として、メインドメインとは独立したサイトとみなされ、異なるコンテンツを運営しやすい、検索エンジン上では別のWebサイトと扱われます。
企業サイトでは、グローバル展開や複数のブランド運営を目的としてサブドメインを利用することが多いようです。

サブディレクトリとは

サブディレクトリは、メインドメインの下層に配置されるディレクトリ構造のことを指します。たとえば、example.com/blog/やexample.com/shop/のような形になります。サブディレクトリの特徴として、メインドメインの評価を引き継ぎやすい、一元管理しやすく、SEOの効果を最大化しやすい、Googleの検索エンジンでは、同じサイトの一部として認識されます。
企業サイトやメディアサイトでは、コンテンツの一貫性を保つためにサブディレクトリを利用するケースが多いとされています。
サブドメインとサブディレクトリは、それぞれ異なる特徴を持っているため、サイトの目的や運用方針に応じて適切に選択することが求められます。

ドメイン名はSEOに影響するのか

WebサイトのSEOを考える際、ドメイン名がどの程度影響を及ぼすのかを理解することが重要です。Googleは検索アルゴリズムの一部としてドメイン名を考慮するのか、また、サブドメインに被リンク効果はあるのかを見ていきましょう。

ドメイン名にSEO効果はあるのか:Googleの見解

かつては、ドメイン名にキーワードを含めることがSEOに有利とされていました。しかし、Googleは現在、単にキーワードを含んでいるだけのドメインが検索順位に有利になるとは限らないと明言しています。
Googleの元検索品質責任者であるマット・カッツ氏も、ドメイン名にキーワードが含まれていること自体はランキング要因として大きな影響を与えないと述べています。つまり、SEOを意識してドメイン名を決定することは重要ですが、それよりもコンテンツの質やユーザーエクスペリエンスの向上に注力すると、検索順位の向上につながるでしょう。
ただし、ブランド名を含むドメインはブランディングの観点から有利になる可能性があります。例えば、example.comのようなシンプルで覚えやすいドメインは、ユーザーに認識されやすく、長期的なSEOにもプラスに働くことがあります。

サブドメインに被リンク効果はあるのか

被リンク(バックリンク)はSEOの重要な要素ですが、サブドメインの場合、その影響の受け方が異なります。
Googleの検索エンジンは、サブドメインを別サイトとみなす傾向があります。そのため、仮にblog.example.comが大量の被リンクを獲得しても、example.comのSEO評価には直接的に影響しにくい可能性があります。
一方、サブディレクトリ(例:example.com/blog/)の場合は、メインドメインの評価を引き継ぎやすく、被リンクの恩恵を受けやすいと考えられています。これは、サブディレクトリがメインサイトの一部として認識されるためです。
しかし、サブドメインだからといってSEOにまったく効果がないわけではありません。独自のコンテンツが豊富で、良質な被リンクを獲得すれば、サブドメインも検索順位を向上させることが可能とされています。ただし、メインドメインとは別の評価基準になるため、一貫性を持ったSEO戦略が必要となります。

サブドメインもSEOに影響しないのか

サブドメインはSEOにどのような影響を与えるのでしょうか?結論からいうと、サブドメインは検索エンジンによって独立したサイトとして扱われることが多く、SEOの影響を受ける要因になります。

Googleはサブドメインをメインドメインとは別のサイトとして認識する傾向があります。そのため、サブドメインを利用する場合、SEOの評価を積み上げるには、個別にコンテンツを充実させ、被リンクを獲得する必要があります。
たとえば、Googleのジョン・ミューラー氏はサブドメインもメインドメインの一部と見なされる場合もあるが、基本的には別のサイトとして扱われると述べています。これは、サブドメインに異なるコンテンツを配置することで、特定の検索クエリに特化したSEOを行うことが可能とされています。
また、Googleのアルゴリズムは、サイト全体の関連性を考慮するため、サブドメインに一貫性のない内容が掲載されていると、SEOの効果が分散してしまう可能性があります。そのため、サブドメインを運用する場合は、メインドメインとの関連性を持たせながら、専門性の高いコンテンツを提供することが求められます。
実際のSEO対策において、サブドメインを利用するかどうかは、サイトの目的や運用方針に応じて決定する必要があります。

サブドメインとサブディレクトリの選び方

Webサイトの構造を決定する際、サブドメインとサブディレクトリのどちらを選ぶべきかは、SEOの観点だけでなく、サイトの用途や方向性を考慮する必要があります。それぞれの特徴を理解し、適切な選択をすることで、より効果的なWeb運営が可能になります。

SEOではなく用途や方向性で選ぶ

サブドメインとサブディレクトリの選択において、単にSEOの観点だけで決めるのは適切ではありません。むしろ、サイトの目的や運用のしやすさを考慮することが重要です。例えば、異なるターゲット層に向けたコンテンツを運用する場合や、技術的な制約がある場合は、サブドメインを利用するのがおすすめです。一方、同じテーマやブランドの一環として情報を集約したい場合は、サブディレクトリを活用すると効果が期待できます。

サブドメインが向いている場合

サブドメインは、以下のようなケースで有効に活用できます。

異なるターゲット向けのサイトを運用する場合
例えば、企業の公式サイト(example.com)とは別に、採用サイト(recruit.example.com)を運営するようなケースです。異なる目的を持つサイトを分けることで、ユーザーにおすすめなコンテンツを提供できます。

異なる言語のサイトを運営する場合
多言語対応サイトでは、英語版(en.example.com)、フランス語版(fr.example.com)など、言語ごとにサブドメインを設定することで、検索エンジンに明確に区別させることができます。

技術的な理由で分離が必要な場合
サブドメインを利用することで、異なるプラットフォームやCMS(コンテンツ管理システム)を使用できます。例えば、本サイトはWordPressを使用し、サブドメインではECサイトを運営する場合などです。

サブディレクトリが向いている場合

サブディレクトリは、以下のような状況におすすめです。

同じブランド内で一貫性を持たせたい場合
例えば、企業ブログをexample.com/blog/に配置することで、メインサイトの評価を引き継ぎやすくなります。

SEOの効果を最大化したい場合
サブディレクトリはメインドメインのSEO評価をそのまま引き継ぐため、新しくコンテンツを追加してもドメインパワーが分散しません。

コンテンツの管理を一元化したい場合
1つのWebサイト内で情報を整理し、更新や運用の手間を減らしたい場合は、サブディレクトリの方がおすすめです。
このように、サブドメインとサブディレクトリは、それぞれ異なる目的やメリットを持っています。

サブドメイン利用のメリット

サブドメインを利用することで、SEOやサイト運営の面でいくつかのメリットが得られます。なかでも、本ドメインと異なる用途でWebサイトを運営する場合や、特定のコンテンツを独立させたい場合に有効とされています。

本ドメインの評価や信頼を引き継げる

サブドメインは独立したサイトとして扱われることが多いようですが、本ドメインと関連性が高い場合、検索エンジンは一定の評価を共有する可能性があります。たとえば、blog.example.comのように、本サイトの一部として機能するコンテンツをサブドメインで運営する場合、メインドメインの影響を受けることが期待できます。
また、ブランド力のあるメインドメインを活用することで、ユーザーの信頼を得やすくなり、新しいコンテンツの評価を向上させる助けになります。

ドメイン代を節約できる

新しいサイトを立ち上げる際、まったく異なるドメインを取得すると、その分のドメイン維持費が発生します。しかし、サブドメインを活用すれば、追加のドメイン費用をかけずに、新しいWebサイトの作成が可能とされています。
例えば、企業がECサイトを運営する場合、shop.example.comのようにサブドメインを利用すれば、別途shop-example.comのようなドメインを取得する必要がなくなります。これにより、コストを抑えながら、目的に応じたサイト運営が実現できます。
サブドメインにはこのようなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

サブドメイン利用のデメリット

サブドメインの利用にはメリットがありますが、SEOや運用面でのデメリットも考慮する必要があります。なかでも、本ドメインと切り離された評価を受ける点や、管理の手間が増える点が課題となります。

本ドメインの評価やSEOペナルティの影響を受ける

サブドメインは基本的に独立したWebサイトとして扱われますが、本ドメインと関連性が高い場合、影響を受けることがあります。例えば、Googleのアルゴリズムが本ドメインとサブドメインを関連サイトとして認識した場合、本ドメインがSEOペナルティを受けた際に、サブドメインも影響を受ける可能性があります。

また、SEOの観点では、サブドメインごとにドメインパワーを構築する必要があるため、メインサイトとSEOの評価を共有しづらいことがデメリットとなります。なかでも、サブディレクトリであればメインサイトのSEO評価をそのまま活用できるため、SEO効果を最大化したい場合はサブディレクトリの方が有利です。

時間と費用がかかる

サブドメインを利用する場合、本ドメインとは別にSEO対策をする必要があります。そのため、新しくサブドメインを立ち上げても、最初から検索エンジンの評価を得られるわけではなく、ゼロからSEO戦略を構築する必要があります。
また、運用の面でも、サブドメインを複数運用する場合、それぞれのサイトごとに管理が必要になるため、運営コストがかかります。なかでも、異なるCMSを使用したり、個別のデザインやコンテンツ管理が必要な場合、工数が増えることを考慮しなければなりません。
サブドメインにはSEOの課題や管理の手間があるため、用途に応じた適切な選択が求められます。

サブディレクトリ利用のメリット

サブディレクトリは、メインドメインの配下にあるフォルダのような構造で運用されるため、SEOの評価を引き継ぎやすいというメリットがあります。また、サイトの一元管理がしやすく、運用コストの面でも有利です。

本ドメインの相乗効果を受けやすい

サブディレクトリを利用すると、メインドメインの評価やドメインパワーをそのまま活かせます。例えば、example.com/blog/のように運用すれば、サイト全体のSEO評価を上げるための施策が一本化でき、新規ページの検索順位向上にもつながります。
Googleの検索アルゴリズムは、同じドメイン内のページを関連性のあるコンテンツとして評価しやすいため、サブディレクトリ内のページもメインサイトと同じSEO評価を受けやすくなります。そのため、ブログやコンテンツマーケティングを活用する場合、サブディレクトリの方が有利です。

情報量が増えてSEO評価が上がる

サブディレクトリを活用することで、Webサイト全体のコンテンツ量を増やし、SEOの評価を高められます。例えば、ブログやナレッジベースなどをexample.com/blog/に統合することで、サイト全体の権威性が向上し、Googleのランキング向上につながります。
また、ユーザーにとっても、一貫性のある情報を提供しやすくなるため、サイトの滞在時間や回遊率の向上が期待できます。これは、SEOにおいて重要な要素の一つです。

一元管理できる

サブディレクトリはメインドメインの一部として運用されるため、管理の手間が少なくなります。たとえば、1つのCMS(コンテンツ管理システム)を使用すれば、すべてのコンテンツを一括管理できるため、更新作業やメンテナンスが容易になります。
また、SEO対策やマーケティング施策も一元化しやすく、サブドメインを個別に運用するよりも、コストや労力を削減できるのが大きなメリットです。
サブディレクトリの利用にはメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

サブディレクトリ利用のデメリット

サブディレクトリはSEOの相乗効果を得やすい一方で、適切に運用しなければデメリットも生じます。なかでも、コンテンツの重複やジャンルの混在によるSEO評価の低下に注意が必要です。

重複コンテンツはペナルティを受ける

サブディレクトリを利用して大量のコンテンツを追加する場合、同じ内容のページが複数存在すると、Googleから重複コンテンツとみなされる可能性があります。これは、検索順位の低下やインデックスの削除につながるリスクがあるため、注意が必要です。
たとえば、example.com/blog/seo-対策とexample.com/seo/対策などの似たようなコンテンツが存在すると、検索エンジンがどのページを優先すべきか判断しにくくなり、結果としてSEO評価が下がる可能性があります。そのため、適切な内部リンクの設定や、重複を避けるためのコンテンツ戦略が求められます。

ジャンルがぶれるとSEO評価が下がる

サブディレクトリはメインドメインの一部として扱われるため、ジャンルが統一されていないとSEO評価が分散してしまいます。たとえば、技術系の情報を中心としたサイトにexample.com/fashion/のような異なるジャンルのコンテンツを追加すると、サイトの専門性が低下し、検索エンジンの評価が下がる可能性があります。
GoogleはE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を重視するため、テーマの一貫性がSEO評価に大きく影響します。したがって、サブディレクトリを利用する場合は、メインドメインの方向性に沿ったコンテンツ戦略を意識することが重要です。
サブディレクトリの利用はSEOに有利な側面があるものの、適切な運用をしなければデメリットが生じる可能性があります。

ドメインパワーがSEOに影響する

SEO対策において、ドメインパワー(ドメインの評価)は重要な要素の一つです。検索エンジンは、サイトの信頼性や権威性を評価し、検索結果のランキングに影響を与えます。では、サブドメインとサブディレクトリのどちらがドメインパワーを活かしやすいのでしょうか?
Googleのアルゴリズムは、ドメイン全体の評価を考慮しながら個々のページをランキングしています。サブディレクトリはメインドメインの評価を引き継ぎやすいため、新規コンテンツを公開しても検索結果で上位表示されやすい傾向があります。一方、サブドメインは別サイトとして認識されることが多い傾向にあるため、ゼロからドメインパワーを構築しなければなりません。
ドメインパワーを高めるに有効な施策は、高品質なコンテンツの継続的な発信、権威性のあるサイトからの被リンク獲得、内部リンクの最適化によるサイト構造の強化、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上です。

主に、長期間にわたって運営されているサイトはドメインパワーが強くなるため、SEOの観点ではサブディレクトリを利用してメインドメインの評価を活かすと効果が期待できます。
サブドメインを選ぶ場合は、独立したサイトとしてのSEO戦略を構築し、ドメインパワーの強化が求められます。
次に、この記事のまとめをお伝えします。

まとめ

ここまで、サブドメインとサブディレクトリの違いや、それぞれのSEOへの影響について解説してきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • サブドメインは独立したサイトとして扱われ、サブディレクトリはメインドメインの評価を引き継ぎやすい
  • Googleはサブドメインを別サイトとして認識することが多い傾向にあるため、SEO評価をゼロから積み上げる必要がある
  • SEO効果だけでなく、運用の目的や管理のしやすさを考慮し、適切な選択が重要

サブドメインとサブディレクトリの使い分けは、サイトの目的やSEO戦略によって変わります。自社のコンテンツ運用方針を明確にし、ぴったりな構造を選択することで、SEOの効果を最大化しましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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