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リスティング広告の品質スコアとは?仕組み・確認方法・改善ステップをわかりやすく解説

リスティング広告を運用していると「品質スコア」という言葉を耳にすることがあるかもしれませんが、それが何を意味し、どのように広告に影響するのかを正確に理解している方は意外に少ないのではないでしょうか。
本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

  • 品質スコアの仕組みと重要性
  • 品質スコアを決定する要因
  • スコアを改善するための施策と注意点

リスティング広告の成果を最大化し、広告費の効率を高めるためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

なお、以下の記事ではリスティング広告全体の成功戦略や運用の極意についても紹介しています。品質スコア改善とあわせてぜひ参考にしてみてください。

https://owned.co.jp/column/ads/listing-ads-strategy

品質スコアとは

品質スコアとは、Google広告やYahoo!広告が広告の有益性を評価するための指標です。広告表示順位やクリック単価に大きく関わるこのスコアの正体と、オークションで使われる「広告の品質」との違いについても理解しておくことが重要です。

品質スコアの重要性

品質スコアは、広告の掲載位置やクリック単価に直接影響を与えるため、広告主にとって非常に重要な要素です。スコアが高いほど、同じ入札額でも競合より有利な位置に広告が表示されやすくなり、結果としてクリック単価(CPC)を抑えることが可能になります。これは、広告配信側がユーザーにとって有意義な広告体験を提供することを重視しており、関連性や利便性の高い広告を優先して表示する仕組みだからです。したがって、単に高額な入札を行うだけでなく、スコアの向上を意識した広告設計が成果を上げるためには欠かせません。

広告ランクについて

広告ランクとは、広告が表示される順位を決めるための評価基準で、「入札金額 × 品質スコア」によって算出されます。たとえ高い金額で入札しても、品質スコアが低ければ広告ランクが下がり、結果として表示順位が下がる、あるいは表示されない可能性もあります。反対に、品質スコアが高ければ、比較的少ない入札額でも上位に広告が掲載されるケースがあります。また、広告ランクは広告が表示されるか否かの判断にも影響するため、広告運用の成果を左右する重要な指標です。広告ランクの仕組みと品質スコアとの関係を正しく理解することで、より戦略的かつ効率的な広告運用が可能となります。

あわせて、リスティング広告で上位表示を狙うための具体的な運用ポイントを以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

https://owned.co.jp/column/ads/listing-ads-top-listings

広告媒体別|品質スコアの確認方法

品質スコアは、Google広告・Yahoo!広告の両方で確認できますが、操作手順や表記の違いに注意が必要です。いずれも、キーワードごとに評価が可視化されるという点は共通していますが、用語や表示項目に若干の違いがあります。広告運用の改善につなげるためには、それぞれの管理画面の特徴を正しく把握しておくことが欠かせません。

以下の表では、主要な2媒体における品質スコアの確認方法とポイントを比較形式で整理しました。

項目Google広告Yahoo!広告(検索広告)
確認画面キーワードタイトルキーワード管理画面
表記名品質スコア(Quality Score)品質インデックス
表示項目広告の関連性 / 推定クリック率 / LPの利便性広告の関連性 / 推定クリック率 / LPの利便性
スコア表示形式数値(1〜10)+評価コメント数値(1〜10)で表示、詳細は指標別に評価される
操作手順キャンペーン > 広告グループ > キーワード同上

品質スコアを確認する際は、キーワード単位で表示される「個別指標」に注目しましょう。Google広告では列のカスタマイズで各項目を表示できるため、必要な情報を見落とさない設定が重要です。Yahoo!広告も同様に、画面表示を変更することで「品質インデックス」やその構成要素を確認できます。どちらも管理画面の初期表示では出ていないことが多いため、確認方法を一度把握しておくことが成果改善の出発点となります。

リスティング広告の品質スコアを構成する3つの要因

品質スコアは、Google広告やYahoo!広告において、広告の質を総合的に判断するための重要な指標です。スコアの数値は、広告がどれだけユーザーにとって有益かを評価する3つの主要な要素によって構成されています。それぞれの項目を理解し、バランスよく最適化していくことが、広告運用の成果を高めるための鍵となります。

推定クリック率(Expected CTR)

ユーザーが広告を目にしたときに、どれくらいの確率でクリックするかをシステムが予測した数値です。過去の表示実績や広告文の表現、広告の掲載位置などが評価に影響します。

魅力的で分かりやすい広告文を作成することで、この数値は向上しやすくなります。

ポイント

  • 「見たい」と思わせる見出しや説明文を設計する
  • キーワードとの整合性を意識した表現を用いる
  • ABテストで最適な文言を継続的に検証する

広告の関連性(Ad Relevance)

ユーザーの検索意図と広告文の内容が、どれだけ一致しているかを評価する要素です。検索キーワードに対して広告が適切な回答を提示していれば、関連性は高くなります。

ポイント

  • キーワードを広告文に自然に含める
  • 広告グループごとにテーマを絞り、訴求軸を明確にする
  • 汎用的な文言を避け、具体的な表現にする

ランディングページの利便性(Landing Page Experience)

広告から遷移した先のページが、ユーザーにとってどれだけ快適かを示す評価指標です。ページの内容が広告と一致しているか、情報にすぐアクセスできる構成か、スマートフォンでの閲覧が快適かなどが判断基準になります。

ポイント

  • 広告文で約束した情報を最上部に配置する
  • モバイル対応・ページ速度・SSL通信を確保する
  • ページ内リンクや構成を工夫し、探しやすさを高める

この3要素は、いずれも独立した評価項目ですが、ユーザー視点での利便性という軸で密接に結びついています。広告の質を全体的に見直すことで、品質スコアの向上と、クリック単価の抑制、表示順位の改善といった成果に繋がります。

品質スコアと広告の品質の違いとは?

品質スコアと広告の品質は、似ているようで実は異なる概念です。両者の違いを正しく理解することで、スコアに振り回されない本質的な広告運用が可能になります。

品質スコアは“診断用”の参考指標

広告管理画面に表示される品質スコア(1〜10の数値)は、GoogleやYahoo!が広告の改善ポイントを把握するために用意した評価の目安です。これは過去の広告データやアカウント状態に基づくもので、あくまで広告主が自身で運用を改善するためのガイドラインです。

広告の品質は“オークション時”に使用される評価基準

一方、広告ランクの決定に使われる「広告の品質」は、検索が発生するその瞬間にリアルタイムで算出されます。ユーザーの検索語句、表示位置、デバイス、過去の表示履歴などを考慮して判断されるため、品質スコアの数値とは一致しないこともあります。

正しく使うためのポイント

品質スコアは、広告が適切に設計されているかを定点観測するための体温計のような存在です。数値に一喜一憂するのではなく、推移や構成要素の傾向を捉え、改善サイクルのヒントにするという使い方が望ましいと言えるでしょう。

品質スコアを改善するための具体的な施策5つ

品質スコアを改善するには、広告のクリック率や関連性、ランディングページの質を総合的に見直す必要があります。これらは一朝一夕に改善できるものではありませんが、具体的な施策に取り組むことで着実に成果を上げることが可能です。ここでは、品質スコアを向上させるために実践したい5つの代表的な施策について解説します。

クリック率を上げる

推定クリック率は品質スコアの中でも特に重要な要素のひとつです。この数値を上げるためには、まず広告文の見直しが必要になります。魅力的でわかりやすい見出しや、ユーザーの関心を引く訴求ポイントを明確に伝えることが求められます。また、検索意図に合ったメッセージを提示することで、「この広告は自分にとって有益だ」と感じてもらえる可能性が高まり、クリックされやすくなります。継続的に広告文をABテストし、最適な表現を見つけていく姿勢が大切です。

広告文の書き方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。あわせてご覧くださいい。

https://owned.co.jp/column/ads/listing-ads-top-listings

キーワードに合った広告文を作る

広告とキーワードの関連性を高めることも品質スコア改善には欠かせません。具体的には、広告文の中に検索キーワードを自然な形で含めることがポイントとなります。これにより、検索ユーザーに対して「まさに求めていた情報がここにある」と感じさせることができ、広告の信頼性やクリック率の向上にもつながります。広告グループごとにキーワードを絞り込み、それに適した広告文を個別に作成することが重要です。

リンク先ページのコンテンツを充実させる

広告から遷移した先のページ、すなわちランディングページの内容がユーザーにとって有益であるかどうかも、品質スコアに影響します。広告文で伝えた内容にきちんと対応した情報を掲載し、訪問者が期待する内容にすぐにアクセスできるようにすることが求められます。また、商品やサービスの詳細、価格、実績などを明確に示し、信頼性や満足度を高める工夫も必要です。コンテンツの質を高めることで、離脱率の低下や再訪率の向上も期待できます。

適正な広告グループを設定する

キーワードと広告文の関連性を最大化するには、広告グループの構成も見直す必要があります。多くのキーワードを1つの広告グループに詰め込むのではなく、意味の近いキーワードごとに細かくグループを分け、それぞれに合った広告文を作成することが理想です。このように設定することで、ユーザーの検索意図に合致した広告が表示されやすくなり、結果として品質スコアの向上に寄与します。広告運用の初期段階から丁寧に構成することが、スムーズな改善への近道です。

ページの読み込みスピードを速くする

ランディングページの利便性を高めるうえで、ページの表示速度は非常に重要なポイントです。ページの読み込みに時間がかかると、ユーザーは離脱してしまう可能性が高くなり、それが品質スコアの評価にもマイナスに働きます。画像サイズの最適化や不要なスクリプトの削除、サーバーの見直しなど、技術的な側面からの改善も欠かせません。GoogleのPageSpeed Insightsなどのツールを活用して、問題点を可視化し、スピーディに対応していく姿勢が求められます。

品質スコア改善時の注意点と意識すべき視点

品質スコアを改善するためには、テクニカルな最適化だけでなく、ユーザー視点での価値提供を忘れてはなりません。広告やランディングページがユーザーにとって有益であるかどうかが評価の中心であり、その本質を見失ってしまうと、表面的な改善では十分な効果が得られない場合もあります。ここでは、スコア向上を目指すうえで押さえておきたい重要な注意点について解説します。

ユーザーのためになる情報の配信を意識する

広告の目的は「クリックを集めること」ではなく、「ユーザーに価値ある情報を届けること」です。そのため、品質スコアを高めたいからといって、ただ目立つキャッチコピーや煽るような表現を多用しても、ユーザーの期待を裏切るような内容であれば評価は下がります。重要なのは、検索意図に合った情報を誠実に提供し、ユーザーが本当に求めている情報に素早くたどり着ける構成になっているかどうかです。広告文とリンク先ページの整合性を保ちながら、実用的で納得感のある内容を届けることが、結果的に高評価につながります。

ユーザーの読みやすいWebサイトを作ることが大事

ランディングページの構成やデザインも、ユーザー体験を左右する大きな要因です。いくら内容が充実していても、読みづらいフォント、過剰な装飾、複雑な導線などがあると、ユーザーのストレスになり、ページからの離脱を招いてしまいます。モバイルファーストの観点を意識し、どの端末からでもスムーズに閲覧できるように最適化することが求められます。また、段落ごとに内容を整理し、見出しや強調表現を適切に使って視認性を高めるなど、文章設計にも配慮するとよいでしょう。ユーザーが「読みやすい」「理解しやすい」と感じるWebサイトこそが、品質スコア向上の土台となります。

リスティング広告における品質スコアについてまとめ

ここまでリスティング広告における品質スコアについてお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 品質スコアの仕組みやその重要性を理解することで、広告運用の成果に直結する評価指標の活用方法がわかる
  • 品質スコアを構成する3つの要因(推定クリック率、広告とキーワードの関連性、ランディングページの利便性)を把握することが、改善への第一歩となる
  • クリック率の向上や広告文・LPの最適化といった具体的な施策を通じて、スコアを高め、広告費の削減や掲載順位アップなど多くのメリットを享受できる

品質スコアの改善は一度で完了するものではなく、継続的な改善が求められます。ユーザーの視点を常に意識しながら広告を見直すことで、より効果的な運用が実現できます。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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