column

リスティング広告の除外依頼とは?運用改善のための基本と実践ポイント

リスティング広告を運用している中で、「不要な検索語句で広告が表示されている」「意図しないユーザー層からのクリックが多い」といった悩みを抱えている方は少なくありません。こうした課題を解消する一手として効果的なのが「除外依頼」です。
本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

  • 除外依頼の基本的な考え方と手順
  • 除外キーワードの役割と設定方法
  • 除外設定による広告運用の改善効果と注意点

リスティング広告における「除外依頼」の正しい理解と実践方法を把握するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

除外依頼とは

リスティング広告における「除外依頼」とは、広告の表示対象から特定のキーワードや条件を除外するよう運用担当者や代理店に依頼することを指します。広告が不要な検索語句に表示されてしまうと、クリックは発生しても成果にはつながりづらく、広告費の無駄につながる恐れがあります。こうした問題を防ぐために、定期的な除外依頼の実施が重要です。
除外依頼は、広告のパフォーマンスを維持・向上させるための施策のひとつです。特に、業種や商材に合わない検索語句や、コンバージョンにつながらないユーザーの流入を排除する目的で活用されます。次のセクションでは、除外依頼に対する基本的な考え方について解説していきます。

キーワードの除外依頼に対する考え方

除外依頼は、広告運用におけるコスト最適化やユーザーの質の向上を図るための重要な手段です。しかし、すべての不要なキーワードを一律に排除すればよいというわけではありません。誤った除外設定をしてしまうと、見込みのあるユーザーまで除外してしまい、機会損失につながる可能性もあるのです。
除外すべきかどうかを判断する際には、検索語句が意図したターゲットに合っているか、実際に成果(CV)につながっているかといった観点から検討する必要があります。また、社内やクライアントと共通の認識を持ちながら、広告の目的に沿ったキーワード設計を進めることも求められます。
除外依頼は単なる「ネガティブなリスト作成」ではなく、広告戦略全体を見直す機会でもあります。次に、具体的に除外依頼をどのように出すべきか、その基本ステップを解説します。

除外依頼の出し方:基本ステップ

除外依頼を効果的に行うためには、いくつかのステップを丁寧に踏んでいくことが大切です。以下の流れに沿って対応することで、無駄な配信を防ぎつつ、より精度の高い広告運用が可能になります。

状況を把握する

まずは現状の広告配信状況を確認し、どのような検索語句で広告が表示・クリックされているかを洗い出します。Google広告やYahoo!広告の検索語句レポートを確認することで、どのキーワードが成果に貢献していないか、あるいは意図しないユーザーに届いてしまっているかを判断できます。この段階では、無作為に除外するのではなく、データに基づいた冷静な分析が求められます。

除外対象を具体化する

状況を把握したら、除外したい検索語句やパターンをリストアップします。特定の語句だけでなく、「〇〇とは」「無料」「評判」など、商材のターゲットから外れるユーザー層が使いそうな言葉も視野に入れて選定していきます。また、地域名や競合の名称なども、場合によっては除外対象になることがあります。重要なのは「なぜ除外したいのか」を明確にし、それに基づいてキーワードを抽出することです。

依頼内容をまとめる

除外したいキーワードが整理できたら、それらを運用担当者や代理店に伝えるための依頼書や指示書にまとめます。このとき、除外を希望する期間や、検索語句が含まれていたキャンペーン、広告グループなどの情報も記載しておくと、スムーズな対応が可能になります。あいまいな指示は設定ミスの原因にもなるため、できるだけ具体的に、かつ簡潔にまとめることが重要です。

運用担当者・代理店へ依頼する

準備が整ったら、運用担当者や広告代理店に対して除外依頼を提出します。この際、単に「これを除外してください」と伝えるだけでなく、なぜ除外が必要なのか、除外によってどのような効果を期待しているのかを共有することが、今後の運用改善にもつながります。依頼後は設定の反映状況を確認し、必要に応じてコミュニケーションをとることも忘れずに行いましょう。
次に、リスティング広告において除外キーワードが果たす役割について、詳しく見ていきましょう。

リスティング広告における除外キーワードの役割

除外キーワードは、リスティング広告の成果を左右する重要な要素のひとつです。適切に設定することで、広告費の最適化やブランドの保護に大きく貢献します。ここでは、除外キーワードがどのような役割を果たすのかを詳しく見ていきます。

無駄コストを削減できる

除外キーワードの最も大きな役割は、成果に結びつかない検索語句への広告表示を防ぐことで、無駄な広告費の支出を抑える点にあります。たとえば、自社の商品が有料であるにもかかわらず、「無料」という検索語句でクリックされ続けると、それは本来得られるべきコンバージョン機会を損ねる原因となります。意図しないユーザーの流入を防ぐことは、限られた広告予算を有効活用するうえで欠かせません。

ブランドイメージの損失を防ぐ

除外キーワードは、広告主のブランドイメージを守るという観点でも重要です。自社とは関係のない、あるいはネガティブな印象を与える検索語句と広告が一緒に表示されると、ユーザーの印象に悪影響を及ぼす可能性があります。たとえば、「詐欺」や「評判が悪い」といったネガティブワードで広告が表示されると、ブランドへの信頼を損なうリスクがあります。除外設定によって、そうした不本意な露出を防ぐことができます。
このように、除外キーワードの役割は単なる費用対策にとどまらず、ブランド戦略の一環としても極めて重要です。続いては、除外キーワードの設定方法について、アカウント構造ごとに解説していきます。

リスティング広告の除外キーワード設定の種類

リスティング広告における除外キーワードの設定は、アカウントの構造に応じて適切な階層で行う必要があります。それぞれの設定単位には役割と特徴があり、目的に応じた使い分けが重要です。以下では、アカウント単位・キャンペーン単位・広告グループ単位での除外設定について解説します。

アカウント単位でのキーワード除外

アカウント単位の除外設定は、アカウント内のすべてのキャンペーンや広告グループに一括で適用されるため、広範囲にわたって影響を及ぼします。たとえば、「無料」や「口コミ」といった、どのキャンペーンでも避けたい検索語句がある場合は、この設定が有効です。ただし、対象範囲が広いため、意図せず必要なトラフィックまで除外してしまうリスクもあるため注意が必要です。

キャンペーン単位でのキーワード除外

キャンペーン単位の除外は、そのキャンペーンに含まれるすべての広告グループに適用されます。例えば、特定の地域向けキャンペーンでは「他地域名」を除外する、価格訴求型のキャンペーンでは「高級」「プレミアム」といった語句を除外するなど、目的に応じて柔軟に対応できるのが特徴です。この設定により、キャンペーンごとの目的やターゲットに合った配信が可能になります。

広告グループ単位でのキーワード除外

広告グループ単位の除外は、最も細かく柔軟な設定が可能です。異なる広告グループで似たキーワードを扱っている場合や、商品・サービスごとに異なるユーザー層を狙いたい場合に有効です。たとえば、同じ商材でも「初心者向け」と「上級者向け」で検索語句を区別したいとき、それぞれの広告グループに異なる除外キーワードを設定することで、適切なユーザーに届くよう調整できます。
このように除外キーワードの設定には複数のアプローチがあり、戦略に応じた適用が成果に直結します。次のセクションでは、除外設定によって得られる具体的な効果について解説していきます。

除外設定がもたらす効果

適切な除外キーワードの設定は、リスティング広告のパフォーマンスを大きく左右します。ただ表示回数を減らすのではなく、質の高いユーザーにアプローチし、広告効果の最大化を目指すための重要な施策です。ここでは、除外設定がもたらす具体的な効果について詳しく解説します。

広告費の無駄を削減

除外設定の最大のメリットは、無関係なユーザーによるクリックを未然に防ぎ、広告費の浪費を防げる点にあります。成果に結びつかない検索語句で広告が表示・クリックされ続ければ、コストは増える一方で、成果には反映されません。除外設定により、必要なクリックに絞り込むことで、限られた広告予算を有効に活用できるようになります。

CV(コンバージョン)率の向上

不要なトラフィックを排除することで、見込み客の割合が高まり、結果としてCV率が向上しやすくなります。広告が適切なターゲット層に届くようになると、ユーザーのニーズと商材のマッチ度も上がり、行動につながる確率が高まります。除外キーワードによって無関係な流入を減らすことが、コンバージョンの最適化につながるのです。

無関係な流入の抑制によるブランドイメージの保護

広告が意図しない検索語句に表示されると、ブランドとの不一致感からユーザーに不信感を与えるリスクがあります。たとえば、格安サービスを提供している企業の広告が「高級」や「高品質」といった検索語句に表示されると、実際のサービスとイメージの齟齬が生じ、ブランドイメージを損なう可能性があります。除外設定をすることで、こうした誤解を避け、ブランドの方向性を明確に伝えることができます。

広告アカウントの品質スコア改善

Google広告では、広告の関連性やクリック率が品質スコアに影響します。除外設定によって適切なターゲットに広告が表示されるようになれば、クリック率の向上が見込め、結果的に品質スコアの改善につながります。品質スコアが上がれば、広告の掲載順位が上昇し、入札単価を抑えながらも高い成果を得ることが可能になります。
このように、除外設定は広告成果の安定化と効率化をもたらす有効な施策です。では、除外依頼を行う際に注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。次のセクションで詳しく見ていきましょう。

除外依頼を出す時の注意点

除外依頼は、リスティング広告の効率化に役立つ反面、誤った判断で実施すると広告効果の低下や機会損失を招く可能性があります。除外設定を行う際には、いくつかの注意点を意識することで、より効果的かつ安全に運用を進めることができます。

除外しすぎに注意

除外キーワードの設定に熱心になるあまり、関連性のある検索語句まで除外してしまうケースは少なくありません。たとえば、成果に直結しなかった語句でも、表示回数やクリック数が多く将来的に成果につながる可能性がある場合、それを除外するのは早計です。感覚的に判断するのではなく、一定期間のデータをもとにして冷静に検討し、必要最低限の除外にとどめることが大切です。

データ期間を明記する

除外依頼を出す際には、対象となる検索語句のデータがどの期間のものかを明確に記載することが重要です。データ期間が曖昧だと、過去の一時的な傾向に基づいた誤った判断をしてしまうリスクがあるほか、運用者が正しく対応できなくなる可能性もあります。1週間、1か月など、除外対象とした背景がわかるように時期を明示することで、依頼の精度と信頼性が高まります。

除外後の効果検証も忘れずに

除外依頼を出して設定が反映されたあとは、それによって広告のパフォーマンスがどう変化したかを検証することが欠かせません。除外によって無駄なクリックが減ったのか、CV率が改善したのかといった数値面の変化を確認することで、次回以降の除外判断にも役立てることができます。効果検証を怠ると、除外設定が単なる形式的な作業になってしまい、本来の目的である広告改善が果たせなくなります。
これらのポイントを押さえて除外依頼を行うことで、広告運用の質をさらに高めることが可能です。最後に、本記事の内容を振り返ってまとめていきます。

まとめ

ここまでリスティング広告における「除外依頼」についてお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 除外依頼とは、広告に不要な検索語句が表示されないように設定する依頼であり、無駄なコストを削減する重要な施策である
  • 除外キーワードの役割は、広告費の最適化やブランドイメージの保護など、成果の最大化に直結するものである
  • 除外設定にはアカウント・キャンペーン・広告グループの3種類があり、それぞれの階層に応じた適用と、除外時の注意点を押さえることが重要である

除外依頼は単なる作業ではなく、広告運用の質を左右する大切な判断です。データを正しく読み解き、目的に応じた除外を行うことで、より成果の出る広告運用へとつながります。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コラム一覧に戻る