column

リスティング広告の費用はどのくらい?相場の目安や仕組み・計算方法をご紹介

「リスティング広告を始めたいけれど、費用がどのくらいかかるのか分からず不安…」そんな方は多いのではないでしょうか。
本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

  • リスティング広告の費用の仕組み
  • 適正な広告予算の計算方法
  • 費用を抑えるためのポイント

リスティング広告の費用計算やコスト感を正しく理解することで、無駄なく効果的な広告運用が可能になります。
ぜひ最後までお読みください。

リスティング広告の費用はクリック単価×クリック数で決まる

リスティング広告の費用は、非常にシンプルな仕組みで決まります。その基本は「クリック単価(CPC)×クリック数」という計算式です。つまり、ユーザーが広告をクリックした分だけ費用が発生する「クリック課金制」が採用されています。ただし、そのクリック単価は固定ではなく、広告が表示される際のオークションによって変動します。ここでは、リスティング広告の費用を構成する「クリック課金」と「オークション制」について詳しく見ていきましょう。

クリック課金とは

クリック課金とは、広告が表示されただけでは費用が発生せず、実際にユーザーがクリックしたタイミングで初めて費用が発生する課金方式のことです。これにより、広告主はクリックされなければお金がかからず、無駄な広告費を抑えられます。そのため、少ない予算からでも広告を出稿しやすく、費用対効果を意識した運用がしやすいという特徴があります。ただし、クリックされたすべてのユーザーがコンバージョン(購入や問い合わせなど)に至るとは限らないため、単にクリック数を増やすのではなく、質の高いクリックを集めることが重要です。

オークション制とは

リスティング広告の掲載順位は、クリック単価の高い広告主が単純に上位表示されるわけではなく、「オークション制」によって決定されます。このオークションは、ユーザーが検索を行うたびにリアルタイムで実施されます。各広告には「広告ランク」が割り当てられ、このランクが高い順に広告が掲載される仕組みです。広告ランクは、入札額(最大CPC)だけでなく、広告の品質(広告の関連性、クリック率の見込み、遷移先ページの利便性など)も加味して決定されます。つまり、広告の内容やサイトの質が高ければ、比較的低いクリック単価でも上位に表示されることがあります。

リスティング広告の適正予算を決める2つの計算方法

リスティング広告を効果的に運用するためには、事前に適切な予算設定が不可欠です。予算の決め方には主に2つのアプローチがあり、どちらも事業の目標や現状に応じて使い分けることが大切です。ここでは、「目標のコンバージョン単価(CPA)」から逆算する方法と、「平均クリック単価(CPC)」を元に計算する方法をご紹介します。

目標のコンバージョン単価から計算する方法

この方法では、まず1件のコンバージョン(例えば購入や問い合わせ)を得るためにどれくらいの広告費をかけられるかを明確にすることから始めます。これにより、無理のない広告投資が可能になります。

①販売価格から原価と確保したい粗利額を引き、目標CPAを出す

まずは自社の商品やサービスの販売価格を基に、原価や物流費、販管費などのコストを引きます。さらに、確保したい利益額も加味して、広告費としていくらまで使えるかを算出します。たとえば、1件あたりの販売価格が1万円で、原価や利益を差し引いて広告費に使える金額が2,000円であれば、それが目標CPAになります。

②目標CPAにほしいコンバージョン数を掛け算する

次に、月間やキャンペーン期間中に獲得したいコンバージョン数を決め、その数に目標CPAを掛けて、全体の広告予算を算出します。例えば、コンバージョン数の目標が50件で、1件あたりのCPAが2,000円であれば、広告予算は10万円となります。この計算方法は、費用対効果の良い広告運用を目指すうえでとても理にかなっています。

相場の平均クリック単価から計算する方法

もう一つの方法は、リスティング広告における平均的なクリック単価とコンバージョン率から、逆算して必要な広告予算を導きます。

①相場の平均クリック単価を調べる

まずは自社の業種やターゲットに合ったキーワードの平均クリック単価を調査します。クリック単価は業界やキーワードによって大きく異なりますが、BtoC業界では100〜300円、BtoB業界では300〜1,000円前後になるケースもあります。GoogleやYahoo!のキーワードプランナーなどのツールを活用して、現実的な金額を把握することが重要です。

②平均クリック単価 ÷ 想定コンバージョン率 × ほしいコンバージョン数を行う

クリック単価が分かったら、次は自社のコンバージョン率を想定します。例えばクリック単価が200円で、コンバージョン率が2%(=0.02)であれば、1件のコンバージョンを得るためには200円 ÷ 0.02 = 10,000円が必要となります。そこに必要なコンバージョン数を掛け合わせることで、適切な広告予算が算出できます。この方法は、特に過去のデータが少ない場合や、新たに広告を始める際に有効です。

リスティング広告の費用を抑える7つのポイント

リスティング広告は運用次第で費用を最適化し、高い費用対効果を実現できます。無駄なコストを抑えつつ成果を出すには、戦略的な設定や継続的な改善が不可欠です。ここでは、広告費用を抑えながらパフォーマンスを維持・向上させるための具体的な7つの方法を解説します。

1.除外キーワードの設定

無駄なクリックを避けるためには、「除外キーワード」の設定が効果的です。これは、広告が表示されないようにするキーワードのことで、自社の商品やサービスに関係のない検索語句によるクリックを防ぐ役割を果たします。たとえば、「無料」や「評判が悪い」など、コンバージョンにつながらないと判断できる語句を除外設定しておくことで、広告費の無駄遣いを減らすことができます。

2.マッチタイプの設定

キーワードの「マッチタイプ」を適切に選ぶことも、費用を抑えるためのポイントです。マッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」などがあり、設定によって広告の表示対象が広くも狭くもなります。部分一致は広範囲にリーチできる反面、意図しない検索にも表示されやすくなります。一方で、完全一致は対象が限定されるため、精度の高いクリックが期待できます。広告の目的や予算に応じて、適切なマッチタイプを使い分けることが大切です。

3.広告品質の向上

GoogleやYahoo!のリスティング広告では、広告の「品質スコア」がクリック単価に影響を与えます。品質スコアは、広告文の関連性、クリック率の見込み、ランディングページの利便性などで構成されており、高スコアであれば低いクリック単価でも上位表示されやすくなります。ユーザーのニーズを的確に捉えた広告文や、スムーズに目的を達成できるページ設計を意識することで、広告品質を高めます。

4.ターゲティングの設定

リスティング広告では、地域、時間帯、デバイスなど、さまざまなターゲティングが可能です。ターゲットが絞り込まれていない状態では、関係のないユーザーにも広告が表示されてしまい、費用対効果が下がります。反対に、購買意欲の高い層やコンバージョン率の高い地域・時間帯に絞り込むことで、広告の成果を最大化できます。アクセス解析ツールと連携させて、どこに重点を置くべきかを把握しておくことも重要です。

5.分析と改善

広告運用は出稿して終わりではなく、常にデータをもとにした分析と改善が求められます。クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、表示回数などの指標を継続的にチェックし、効果が低い広告やキーワードは見直しを行いましょう。改善を繰り返すことで、より少ない費用で多くの成果を生み出せるようになります。特に週次や月次でのパフォーマンスの比較は、成果の変化を可視化するうえで有効です。

6.広告代理店に依頼する

自社内に専門知識を持つ人材がいない場合は、リスティング広告に強い広告代理店へ運用を依頼するのも一つの方法です。運用費用こそかかりますが、無駄な費用を削減し、成果を最大化するノウハウを持っています。実際、プロの目線からの改善提案やA/Bテストによって、長期的には費用対効果が高まるケースも多く見られます。依頼する際は、成果報酬型や月額固定型など料金体系も確認しておくと安心です。

7.指名キーワードで広告出稿する

自社名やブランド名などの「指名キーワード」で広告を出稿することも、費用を抑えながら効果を高める戦略の一つです。こうしたキーワードはクリック単価が比較的安価で、コンバージョン率も高くなる傾向があります。また、競合他社が自社のブランド名に広告を出している場合には、自社で押さえることでブランド価値の保護にもつながります。認知度がある程度ある企業ほど、この施策は大きな効果を発揮します。

リスティング広告運用は自社と広告代理店どちらが良いのか?

リスティング広告の運用方法には、自社で運用する「インハウス運用」と、外部の広告代理店に依頼する「アウトソース運用」の2つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

自社で運用するメリットとデメリット

自社で運用する最大のメリットは、運用にかかるコストを抑えられる点です。代理店に支払う運用手数料が発生しないため、広告費をそのまま広告配信に充てられます。また、自社の商品やサービスについての理解が深いため、訴求ポイントを的確に伝える広告文を作成しやすく、現場のスピード感に合わせた運用も可能です。

一方で、専門的な知識や経験がないまま運用を始めると、効果が出なかったり、無駄なクリックによって費用がかさんだりするリスクもあります。さらに、効果測定や改善業務には時間と手間がかかるため、リソースが限られている企業には負担が大きくなる可能性があります。

広告代理店へ依頼するメリットとデメリット

広告代理店に運用を依頼することで、リスティング広告の専門家による戦略的な運用が可能になります。キーワード選定、広告文の作成、入札戦略、レポート作成まで一貫して任せられるため、社内リソースを他業務に集中できるのも大きなメリットです。最新の広告トレンドやツールにも精通しており、常に最適化された状態で広告を運用してもらえる点も魅力です。

ただし、代理店に依頼するには、広告費に加えて一定の運用手数料が発生します。月額固定や広告費の○%という形で請求されるケースが一般的です。また、自社の意図がうまく伝わらず、広告の方向性にズレが生じることもあるため、代理店選びとコミュニケーションが重要になります。

リスティング広告の費用について知っておくべきこと

リスティング広告を効果的に運用するためには、単に予算やクリック単価を把握するだけでなく、運用時に起こり得るさまざまなケースや費用に関する注意点を理解しておくことが大切です。ここでは、知っておくべき実践的なポイントを解説します。

費用対効果が合わない場合は撤退も視野にいれる

どれほど入念に設計した広告でも、必ずしも期待通りの成果が出るとは限りません。継続的に広告費を投じているにもかかわらず、コンバージョンが思うように取れない、または赤字状態が続いている場合は、一時的に出稿を停止したり、キャンペーンそのものを見直す判断も必要です。撤退を決断することは、無駄なコストの削減や戦略の転換を促すきっかけになります。

予算が高い場合はインハウス運用も視野にいれる

リスティング広告にかける予算が増えてきた場合、長期的にはインハウス運用(自社運用)へ切り替えることで、運用手数料のコストを抑えられる可能性があります。特に月額数十万円以上の広告費を継続して投じている企業であれば、社内に専任担当を置いたり、外部の研修やサポートサービスを活用することで、内製化のメリットが大きくなります。ただし、ノウハウの蓄積や人材の確保が必要になるため、段階的な移行が現実的です。

不正クリックで発生した費用は原則返金される

リスティング広告において問題となるのが、競合や悪意のある第三者による「不正クリック」です。こうした不正なクリックによって本来得られるべき成果が妨げられるリスクがあります。しかし、GoogleやYahoo!では不正クリックを自動で検出・排除する仕組みがあり、該当するクリックにかかった費用は返金の対象になります。管理画面で「無効なクリック」として表示されるケースもあるため、定期的な確認が重要です。

広告費の支払いは、クレジットカード利用がおすすめ

リスティング広告の支払い方法としては、銀行振込やクレジットカードがありますが、利便性や管理面を考えるとクレジットカードの利用がおすすめです。支払い手続きの自動化によって滞納のリスクを回避できるほか、利用額に応じたポイント還元などのメリットもあります。また、明細による費用の可視化がしやすく、月々の支出管理にも役立ちます。企業によっては法人カードを使うことで経理処理の簡略化にもつながるでしょう。

まとめ

ここまでリスティング広告の費用計算や相場、仕組みについてお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • リスティング広告の費用は「クリック単価×クリック数」で決まり、オークション制とクリック課金の仕組みによって成り立っている
  • 適正な広告予算は「目標CPAから逆算する方法」または「平均クリック単価から計算する方法」で導き出せる
  • 費用を抑えるには、除外キーワードやマッチタイプの最適化、広告品質の改善など複数の工夫が効果的である

リスティング広告は、適切な知識と運用によって費用対効果を高めることが可能です。まずは今回ご紹介したポイントを参考に、無理のない範囲で広告運用に取り組んでみてはいかがでしょうか。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コラム一覧に戻る