リスティング広告の広告文とは?仕組み・作成の基本・改善ポイントを解説
リスティング広告を運用しているものの、思うようにクリック率が伸びないと悩んでいませんか?広告文の書き方次第で、ユーザーの関心を引き、成果を大きく変えられます。本記事では、以下の点を中心にご紹介します。
- リスティング広告における広告文の重要性
- クリック率を上げる広告文作成のポイント
- 広告文作成時の注意点
リスティング広告の効果を引き出すための広告文作成のコツを解説します。ぜひ最後までお読みください。
リスティング広告の効果を高めるには、基本をしっかりと理解することが大切です。初心者の方に向けて、学び方を丁寧に解説した以下の記事もぜひご覧ください。
https://owned.co.jp/column/ads/listing-ads-study-2
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リスティング広告における「広告文」とは
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に表示される広告のことを指します。ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、そのキーワードに関連する広告が表示される仕組みです。この広告の中に含まれるテキストが「広告文」となり、ユーザーのクリックを促す重要な要素になります。
広告文は、検索結果の上部や下部に表示され、ユーザーの検索意図にマッチした内容であることが求められます。リスティング広告は、広告文が魅力的でなければユーザーにクリックされることはなく、成果につながりません。そのため、広告文の作成が、リスティング広告運用の成功の鍵を握っています。
リスティング広告における広告文の重要性
リスティング広告の広告文は、単なる説明文ではなく、ユーザーの関心を引き、クリックを促すための「広告コピー」としての役割を果たします。検索エンジン上では、多くの広告やオーガニック検索結果が表示されるため、広告文が目を引くものでなければ、ユーザーの興味を引くことはできません。
特に、リスティング広告はクリック課金型(PPC)であるため、クリックされなければ費用はかかりませんが、広告が表示されてもクリックされなければ、機会損失となります。クリック率(CTR)が高い広告文は、広告の品質スコアを向上させ、掲載順位を上げることができるため、結果的に広告の費用対効果(ROI)を高めることにもつながります。
リスティング広告の広告文作成では、ユーザーの検索意図を的確に捉え、魅力的なメッセージを伝えることが重要です。次の章では、リスティング広告文がどのように掲載されるのか、その仕組みについて詳しく解説します。
リスティング広告文の掲載位置
リスティング広告の広告文がどのように掲載されるのかを理解することは、効果的な広告運用を行ううえで非常に重要です。広告の掲載位置を把握することで、ユーザーにとって魅力的な広告を作成でき、クリック率の向上につながります。
リスティング広告文の掲載位置
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページ(SERP)に表示され、通常は検索結果の最上部(上位広告枠)または最下部(下位広告枠)に配置されます。広告が上位に表示されるほど、ユーザーの目に触れやすくなり、クリック率が高まる傾向があります。
掲載順位は、広告の入札価格だけでなく、品質スコアや広告の関連性、クリック率の予測など、複数の要素によって決まります。そのため、単に高額な入札を行うだけではなく、広告文のクオリティを高めることも重要になります。
また、検索広告以外にも、ディスプレイ広告やショッピング広告など、異なるフォーマットの広告が表示される場合があります。それぞれの広告の特性に応じたクリエイティブを用意することが、成果を最大化するポイントです。
リスティング広告の広告文の構成内容
リスティング広告の広告文は、複数の要素で構成されています。それぞれの要素を適切に設定することで、ユーザーの関心を引き、クリック率を高めることが可能になります。
広告見出し(Yahoo!広告ではタイトル)
広告見出しは、ユーザーの目に最も触れやすい要素であり、検索意図と合致する内容が求められます。Google広告では、最大3つの見出しを設定でき、それぞれ30文字以内の制限があります。Yahoo!広告では「タイトル」と呼ばれ、基本的な役割は同じです。
見出しには、検索キーワードを含めることで、ユーザーにとって関連性が高い広告であることを示せます。また、「今だけ30%オフ」「無料相談受付中」といった具体的なフレーズを活用することで、よりクリックされやすい広告を作成することが可能です。
説明文
説明文は、広告の内容を詳細に伝える部分で、ユーザーがクリックするかどうかの
判断材料になります。Google広告では、最大2つの説明文を設定でき、それぞれ90文字以内で記述する必要があります。
説明文では、商品やサービスの特長を明確に伝えつつ、ユーザーの行動を促す文言を加えることが効果的とされます。例えば、「24時間以内に発送」「5万人以上が利用」といった具体的な情報を盛り込むと、広告の信頼性が高まります。
表示URL
表示URLは、広告文の中に含まれるWebサイトのURLを示す部分です。実際の遷移先URLとは異なり、ユーザーに分かりやすく整理された形で表示されます。
例えば、「https://example.com/campaign」のように、広告の内容と関連性のある表示URLを設定することで、ユーザーにとってクリックしやすい広告になります。
パス(Yahoo!広告ではディレクトリ)
Google広告では「パス」という項目があり、表示URLの一部をカスタマイズできます。例えば、「example.com/discount」「example.com/luxury」といった形で、広告の内容に関連するキーワードをパスに含めることが可能です。
Yahoo!広告では「ディレクトリ」と呼ばれ、同様の機能を持ちます。パスを適切に設定することで、広告の内容が明確になり、クリック率の向上が期待できます。
アセット(Yahoo!広告では広告表示オプション)
アセット(旧・広告表示オプション)は、広告文に追加情報を加えることで、より多くの情報をユーザーに伝えるための機能です。Google広告とYahoo!広告の両方で利用可能で、以下のような種類があります。
- サイトリンク:広告下に複数のリンクを追加し、特定のページへ直接遷移させる
- コールアウト:短いフレーズで商品の特長や強みを強調
- 構造化スニペット:カテゴリやサービスの一覧を表示し、情報の整理を助ける
- プロモーション:期間限定の割引やキャンペーン情報をアピール
これらのアセットを適切に活用することで、広告の情報量を増やし、クリック率の向上を図れる
拡張テキスト広告は廃止され「レスポンシブ検索広告」が主軸
以前は、広告主が固定の広告文を設定する「拡張テキスト広告」が主流でしたが、現在はGoogle広告において「レスポンシブ検索広告」が主軸となっています。レスポンシブ検索広告では、複数の見出しや説明文を登録すると、AIが組み合わせをして表示するため、より高いパフォーマンスを発揮しやすくなっています。
クリック率が上がるリスティング広告の広告文作成のコツ
リスティング広告の成果を左右する要素のひとつが「広告文」です。ここでは、ユーザーの興味を引き、クリック率を高めるために意識すべき具体的な作成ポイントをご紹介します。
まずは、クリック率を高める広告文の構成要素と、それぞれの意図を一覧で確認してみましょう。
| 要素 | 主な役割 | 例文 |
| キーワード | 検索意図との一致を強調 | 「リスティング広告 無料セミナー」 |
| 信頼性の表現 | 不安の払拭・安心感の付与 | 「公式認定」「満足度94%」 |
| 具体的な数値 | 説得力の強化 | 「5万人が受講」「3日で実感」 |
| 行動喚起 | クリックを促す | 「今すぐ申し込む」「無料体験はこちら」 |
| スマホ訴求 | モバイルユーザーの利便性訴求 | 「スマホから簡単登録」「1分で完了」 |
それぞれの要素が広告文の効果を高める鍵となります。ここからは、各ポイントを具体的に解説していきます。
キーワードを的確に広告文へ盛り込む
検索キーワードが広告文に含まれていると、ユーザーは「自分に関連がある」と感じやすくなります。また、Googleでは検索キーワードが広告内で太字になるため、視認性も向上します。
信頼感のある言葉で不安を払拭する
「公式」「認定」「実績あり」などの文言を活用することで、広告の信頼性を高められます。ただし、誇張表現や根拠のない情報は広告審査に通らない可能性があるため注意が必要です。
数字を活用して具体性を持たせる
「累計5万人が利用」「今だけ50%OFF」など、数字を盛り込むことでユーザーの興味を引きやすくなります。数値は信頼性やベネフィットを直感的に伝える手段として有効です。
見出しのバリエーションで注目度を高める
広告文の見出し(タイトル)は、クリック率に直結する要素です。複数の見出しパターンを設定し、訴求ポイントを分散させることで、最適な組み合わせをテストできます。
情報の重複を避けて訴求を整理する
同じ内容を見出しと説明文の両方に入れるのではなく、それぞれ異なる強みを盛り込むことで、限られたスペースで多角的な魅力を伝えられます。
スマートフォンでの閲覧を意識する
スマートフォンで閲覧される機会が多いため、「スマホから簡単申し込み」「今すぐチェック可能」など、短く直感的な文言が効果的です。
より多くのユーザーに広告を届けるには、広告文の改善に加えて、上位表示の仕組みを理解しておくことも重要です。掲載順位に関する詳しいポイントは、以下の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
https://owned.co.jp/column/ads/listing-ads-top-listings
広告表示オプションの活用方法|クリック率を高める追加要素とは
広告文の訴求力をさらに高めたい場合、広告表示オプション(アセット)の活用が効果的です。アセットとは、広告文に追加情報を付け加える機能で、Google広告では「広告表示オプション」とも呼ばれます。これを活用することで、表示面積が広がり、ユーザーの目に留まりやすくなるため、クリック率(CTR)の向上が期待できます。
代表的な広告表示オプションは以下のとおりです。
| オプション名 | 内容 | 活用例 |
| サイトリンク表示 | 複数の下層ページへのリンクを表示 | 「料金ページ」「導入事例」「FAQ」など |
| コールアウト表示 | 特長や訴求ポイントを短文で追加表示 | 24時間対応」「初回無料」「全国対応」 |
| 構造化スニペット表示 | カテゴリやサービス内容をリスト形式で表示 | 「提供サービス:広告運用・Web解析・制作」 |
| 電話番号表示 | スマホから直接電話をかけられるボタンを表示 | 「今すぐ電話」ボタンの追加 |
| リードフォーム表示 | フォーム入力を広告上で完結できる | お問い合わせ・資料請求の獲得向け |
これらのオプションを適切に組み合わせることで、広告の情報量を増やしながらも視認性を確保でき、広告全体のパフォーマンスを底上げできます。
また、Googleでは広告表示オプションの設定状況も品質スコアに影響する可能性があるため、必須レベルの設定項目といえます。
レスポンシブ検索広告の最新動向
現在のGoogle広告では、レスポンシブ検索広告(Responsive Search Ads/RSA)が主流となっています。2022年6月には「拡張テキスト広告(ETA)」の新規作成が終了し、以降はRSAの活用が必須となっています。
【レスポンシブ検索広告の特徴】
- 見出し:最大15パターンまで登録可能
- 説明文:最大4パターンまで登録可能
- 表示形式:ユーザーの検索内容や過去の行動に応じて、Googleが自動的に最適な組み合わせを表示
【RSAが選ばれる理由】
- 自動最適化でパフォーマンスが向上しやすい
- 複数の訴求を1つの広告でテストできる
- 広告表示の幅が広がるため、クリック率向上が期待できる
【運用で意識すべきポイント】
- 登録する見出しや説明文は内容の重複を避け、役割を分ける
- 主要なキーワードは必ずいくつかの見出しに含める
- ブランド訴求・ベネフィット訴求・行動喚起など切り口を分散させて登録する
AIによる広告最適化が進む中でも、良質な素材(文案)の用意が成果に直結します。任せきりではなく、戦略的に構成を設計する姿勢が今後ますます重要です。
リスティング広告文を作成する際の注意点
リスティング広告の広告文は、クリック率を向上させるために工夫を凝らすことが重要ですが、作成時にはいくつかの注意点もあります。広告ポリシーを順守し、ユーザーにとって信頼性のある広告を提供することが、広告効果を最大化するための鍵となります。
広告ポリシー・掲載基準を順守する
Google広告やYahoo!広告には、それぞれの広告掲載ポリシーが定められています。誇大広告や虚偽の情報を含む広告文は、審査に通らず掲載できない場合があります。また、以下のような表現は制限されることが多いため、注意が必要です。
- 誇張表現:「絶対」「必ず成功」「世界一」など、証拠がない過剰な表現
- 比較表現:「業界No.1」「最安値」など、客観的なデータがない比較
- 禁止事項に抵触する表現:金融、医療、美容関連の広告では、特に厳格な審査基準が設けられているため、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)や景品表示法などの法律も考慮する必要がある
広告文が審査で落ちてしまうと、掲載が遅れたり、広告配信が停止される可能性があるため、事前にポリシーを確認し、適切な内容で広告を作成しましょう。
広告文とランディングページの内容を一致させる
広告文に記載されている内容と、クリック後に遷移するランディングページ(LP)の内容が一致していることも重要なポイントです。例えば、広告文に「初回無料」と記載しているにもかかわらず、LPではその条件が明記されていない場合、ユーザーは不信感を抱き、離脱率が高まる可能性があります。
広告の品質スコアにも影響を与える要素の一つであるため、広告文とLPの内容に一貫性を持たせることで、ユーザーの満足度を向上させ、コンバージョン率の向上につなげられます。
競合の広告文と差別化できているかチェックする
リスティング広告は、競合他社も同じ検索キーワードで広告を出稿しているため、自社の広告が埋もれてしまう可能性があります。そのため、競合の広告文をチェックし、自社ならではの強みを打ち出すことが重要です。
例えば、競合が「送料無料」を強調している場合、自社は「当日発送」「ポイント還元」などの異なる訴求ポイントを打ち出すことで、差別化を図れます。また、業界特有の専門用語を多用しすぎず、ターゲットにとって分かりやすい言葉を用いることも効果的とされます。
リスティング広告の広告文についてまとめ
ここまで、リスティング広告の広告文作成についてお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。
- リスティング広告の広告文は、検索結果に表示され、クリック率を左右する重要な要素である
- クリック率を上げるためには、検索キーワードの活用、具体的な数字や信頼感のある文言の使用、A/Bテストによる改善が効果的とされる
- 広告文作成時には、広告ポリシーを順守し、ランディングページとの整合性を保ちつつ、競合との差別化を意識することが大切である
リスティング広告の成功には、広告文の質が大きく影響します。ユーザーの検索意図を的確に捉え、魅力的な広告文を作成することで、クリック率を向上させ、コンバージョンの増加につなげられます。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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